議員選当落直前予想/大熊町

新人3人の立候補が確実!!12人目、13人目の動きが焦点!!

 大熊町の議員選挙は、8年ぶりに選挙となった町長選挙と同じ10月31日告示、11月10日投票で行われる。10月8日に行われた立候補予定者説明会には、定員12人に対して18陣営が出席した。今回、現職で引退すると言われているのが、無所属の堀川亘夫(75)(3期)、加藤良一(62)(3期)、公明の伊藤昌夫(74)(2期)の3人である。また、議長の鈴木光一(64)(3期)が、町長選に出馬するので4人の現職が出馬しないことになる。
 説明会に出席した18陣営の中に公明の伊藤陣営の姿があった。伊藤は、
 「最近、年齢もあって体調が優れないのです。1期4年の任期を全うするだけの自信がないので後進に道を譲りたいと思っています。その後継者が決まらないので、いつでも出馬出来るように説明会に出席しました。私自身の出馬はありません」
 と語る。
 伊藤と堀川の2人は中学校の同級生で75歳という年齢を考えると今回が潮時と考えたようだ。説明会に出席した18陣営が出馬するとなれば、定員12に対し、現職8人、新人10人で争う激戦となるわけだが、ある選挙通は、
 「現職を除いて新人9陣営が説明会に出席したが、何人かは様子見という人たちですよ。前回、ただ1人落選した人と同じグループとみられている人たちです。彼らは100票ぐらいしか得票出来ないので無投票になるようだったら滑り込んで立候補しようと考えているんじゃないですか」
 と語る。
 新人で立候補が確実視されているのが、渡辺誠(大川原)、石井和弘(下野上)、武内正則(下野上)の3人である。事情通の一人は、
 「石井さんは東電労組で、加藤さんの後継者です。渡辺さんは、(福島)民友の出身で、最近は復興事業に携わっていたという話です。父親も町議をやっていた。武内さんは、ずっと堀川さんを支援してきた人です。堀川さんが町長選に出馬するという話が出た時、『町議選は武内が出馬する』との情報が流れていた。堀川さんの後継者ということでしょうね」
 と説明する。
 ところで、現職4人が出馬しないことになると、新人3人の出馬では定員に1人足りない計算になる。そこで、もう1人の候補者として有力視されているのが、島原健二郎(熊)、西山英壽(夫沢)の2人である。別の選挙通は、
 「説明会には、どちらかというと住民監査請求をしたり、町に異議を唱えている人たちが出席していた。この人たちは選挙に強いわけでないので定数割れをした時に滑り込もうかと考えている。
 島原さんは熊2区の区長経験者で以前から出馬の話が流れていた。もう1人の西山さんも『前回、選挙にならないなら出るかな』って言っていたし、今回は出るかもしれないな」
 と語る。
 本誌には、伊藤に代わって公明から出馬をする後継者はいないとの情報が入っている。伊藤は、前回の選挙で541票を得票し、トップ当選している。公明の票に加え、伊藤自身が行政区長に就くなど個人票を加えたものだが、いま、この票が誰に流れるかが注目されている。ただ、前出の選挙通は、
 「公明票が特定の候補者に流れることはないからね。上の人からどういう指示が出るかで決まると思いますが、いまの時点では予想がつかないよ」
 と語る。
 ところで、前回は新人で無所属の木幡ますみ(64)、佐藤照彦(67)の2人が2位、3位で当選をしているが、今回の選挙は情勢が一変するという話が専らである。町議の一人は、
 「前回の選挙をそのまま当てに出来ないよ。特に2回目の2人は危機感を持って選挙戦に臨んでいるはずだよ。初めてだから入った票があるからね。
 今回の当落ラインは前回の220票から下がって180票ぐらいまで下がるんじゃないかな。ただ、町長選と同日選なので、その辺りがどう影響するかだよね」
 と語る。
 新人の石井は、東電労組の支援を受けて組織票が入るので当選確実で、堀川の後継者の武内も当選圏内に入っているといわれる。もう1人の渡辺も、父親が町議だったこともあって有力視されている。
 しかも、当落ラインが下がると4期の千葉幸生(62)、松永秀篤(67)、吉岡健太郎(53)らは実績があるだけに当選圏内に入るはずだ。前回、最下位だった仲野剛(50)(4期)も220票を得票しており、当落線上より上になるとの見方も出来そうだ。
 前回、定数14議席から12議席に減り、2回目とあって厳しい選挙戦を強いられた廣嶋公治(69)、阿部光國(63)の2人も当選圏内に入ってくることになる。ある町議が、
 「12人目の出馬が最後までなければ、現職で引退するといっていた人が出馬することになるかもしれないよ。そうなると無投票という線もなくはない。
 逆は、様子見の人が滑り込もうとした時に13人目の人が名乗りを上げて実戦に突入することになるかもしない。どちらかというと選挙になる方が強いんじゃないかな」
 と話す。
 震災から8年半が過ぎ、県外の避難者は地元の選挙に関心が薄れてきたといわれる。震災直後の投票率は51.44㌫だったが、震災前より17㌫も下がっている。今回の投票率はもっと下がって40㌫を切るのではないかともいわれている。
 投票率が下がれば下がるほど、組織票を持っている候補者、当選回数を重ねてきた候補者が有力になるはずだ。焦点は有力な候補者が立候補して無投票になるか、13人目の候補者が名乗りを上げて実戦となるかにあるようだ。(髙橋)


【候補者氏名】【所属】
○松永秀篤  無所属④
○千葉幸生  無所属④
△吉岡健太郎 無所属④
△仲野 剛  無所属④
○廣嶋公治  無所属②
△阿部光國  無所属②
△佐藤照彦  無所属①
△木幡ますみ 無所属①
△渡辺 誠  無所属新
○石井和弘  無所属新
△武内正則  無所属新
▲島原健二郎 無所属新
▲西山英壽  無所属新

◎=当確、○=圏内、△=線上、▲=線下

 

 

 

2019年10月15日